1.平均点推移と全体の構成
〇平均点推移(過去5年)
・令和3年度 53.3
・令和2年度 61.1
・平成31年度 62.3
・平成30年度 66.5
・平成29年度 56.3
平均して50点代半ば~60点台前半が平均となっています。
〇全体の構成
数学は全部で大問5問からなり、それぞれ以下のような構成になっています。
大問1 小問集合(46点)
大問2 文字式の利用(12点)
大問3 関数(15点)
大問4 平面図形(17点)
大問5 空間図形(10点)
全体の難易度は基礎~標準となっていますが、例年正答率が10%程度の難問も数問含まれています。
公式を利用した問題や各分野で頻出の問題パターンを解けるようになっておけば、大抵の問題はスムーズに解くことができます。
解けない問題にこだわると時間が足りなくなってしまうので、解く問題と解かない問題の見極めが必要です。
〇時間配分
各大問における時間配分としては下記が目安です。
・大問1 8分
・大問2 8~10分
・大問3 8~12分
・大問4 8~12分
・大問5 8~12分
上記の時間配分はそれぞれ見直しを含めた時間配分になるので、練習の段階から最低でもこのペースで解ききれるように練習していきましょう。
また、時間内に解くべき問題を解ききれるように、解くべき問題と捨てる(解けなくても良い)問題を見分けられるようにしておきましょう。
2.大問別対策
大問1 小問集合 46点
〇大問1の概要
計算問題や作図など全9問が出題されています。
四則計算や資料の整理、確率、方程式、平方根、角度など様々な分野から出題されますが、いずれも基本的な問題の出題が中心なので、満点を狙っていく大問になります。
〇大問1の対策方法
いずれの問題も教科書レベルの問題なので、基本の公式や定理の暗記の再確認、教科書やワークなどの例題や練習問題の解き直しを行っていきましょう。
また、大問1は目指す学校によってかけられる時間が異なってくるので、志望校に合わせて時間をかけても満点を取っていくのか、満点を取るのに加えてできるだけ早く解く必要があるのか、時間配分の確認もしておくようにしておきましょう。
大問2 文字式の利用 12点
〇大問2の概要
文章を読んで、その文章に関する問いに答える問題が2問出題されています。
文章内の説明から法則を導き出していく必要があるので、文章内の条件を整理する練習が必要となります。
また、問2は文章から導かれた法則を基に証明を行っていく問題になっているので、証明問題の答え方にも慣れておく必要があります。
〇大問2の対策方法
大問2は他の大問とは異なり、長めの文章の中から条件を見つけていく必要があります。
こういった問題に慣れていないと条件を見つけることや、条件から導かれた法則を式として表すことが難しくなってしまいます。
問1は条件さえ整理できれば答えを導き出すのは決して難しくないので、過去問や問題集でこういった問題の形式に慣れて、条件を整理できるようにしておきましょう。
問2は例年やや難しめの問題となる場合が多いですが、問1と同じように条件を一つずつ整理して式に変換していくことで証明を行うことが可能です。
証明問題は記述で答えていくことになるので、記述問題が苦手な人は問題集などで書き方のポイントを抑えておくようにしましょう。
大問3 関数 15点
〇大問3の概要
大問3は関数に関する問題が3題出題されています。
問1、問2は公式に当てはめれば解けるような基本的な問題、問3が条件に合う座標を求める問題で少し難易度の高い問題となっています。
〇大問3の対策方法
問1、問2は交点の座標を求める問題や直線の式を求める問題など非常にオーソドックスな問題です。
問3は関数に図形が組み合わせて条件を満たすような座標を求める難易度の高い問題です。
正答率も他の問題と比べて低いことが多いので、目標点にもよりますが、無理せず他に解けそうな問題があれば後回しにしても良いでしょう。
大問4 平面図形 17点
〇大問4の概要
大問4は平面図形に関する問題が3題出題されています。
問1は定理や定義を利用すれば解けるような基本的な問題、問2は証明とやや難度の高い面積や比などを求める問題が出題されています。
〇大問4の対策方法
問1は角度を求める問題です。
基本的な定理や定義を利用すれば簡単に求めることのできる基本的な問題です。
問2①は証明問題です。
一か所ずつ同じ角度や長さになる辺を探していけば、それほど難しくなく証明の条件を探すことができます。
できるだけ得点しておきたい部分なので、各図形の定義や合同、相似の条件は正確に記述できるようにしておきましょう。
問2②は面積や比を求める問題です。
毎年非常に難易度の高い問題なので、少し考えてみて分からなければ深追いせず、先に他の解けそうな問題を解くようにしましょう。
大問5 空間図形 10点
〇大問5の概要
大問5は空間図形に関する問題が2題出題されます。
1題は角度や面積などを求める教科書レベルの標準問題、もう1題は立体の体積を求める難度の高い問題が出題されています。
〇大問5の対策方法
問1は近年、角度や面積、線分の長さ、ねじれの位置にある辺の数を答える問題などが出題されています。
問題の図形の中には辺や点が多く、一見すると難しいと思いがちですが、与えられた条件を図の中に書き込んでいくことで求められるような標準的な問題です。
図形問題が苦手な人は、図形問題に特化した問題集や教科書の練習問題などを解いて解法を身に着けておきましょう。
大問5の問2も大問4の問2②と同じく毎年非常に難易度が高く、正答率の低い問題です。
問題を確認してすぐに開放がひらめかなければ、後回しにし、他の問題の見直しまで行ったうえで時間があれば取り組むようにすると良いでしょう。