1.平均点推移と全体の構成
〇平均点推移(過去5年)
・令和3年度 54.1
・令和2年度 54.7
・平成31年度 54.4
・平成30年度 68.0
・平成29年度 57.8
平成30年度の平均点が大きく上がっていますが、それ以外では概ね50点代半ばぐらいの点数となっています。
〇全体の構成
全体の難易度は基礎~標準となっており、しっかりと対策を練って学習を行えば対応可能な難易度となっています。
英語は全部で大問4問からなり、それぞれ以下のような構成になっています。
大問1 リスニング(20点)
大問2 図表を用いた問題+英作文(24点)
大問3 対話文(28点)
大問4 説明文・物語文(28点)
大問は全部で4つしかありませんが、大問1はリスニング、大問2~4は長文となっているため、素早く文章を読んでいく練習が必要となってきます。
また、長文の中でも図表と照らし合わせて解く問題や、内容に沿って英作文を書く問題などもあるため、早く文章を読むだけではなく、図表と文章を照らし合わせて読む練習や英作文を書く練習も必要です。
〇時間配分
各大問における時間配分としては下記が目安です。
・大問1 10分
・大問2 12分
・大問3 13分
・大問4 15分
上記の時間配分はそれぞれ見直しを含めた時間配分になるので、練習の段階から最低でもこのペースで解ききれるように練習していきましょう。
2.大問別対策
大問1 リスニング20点
〇大問1の概要
リスニングはAとBの2パートに分かれています。
Aパートでは会話文を聞いて答える選択問題が3問、Bパートでは館内放送のような説明やスピーチといった一人の人が話す文章を聞いて答える問題(選択問題1問、記述問題1問)が出題されています。
〇大問1の対策方法
始めにリスニングが流れるため、試験開始して最初に大問1の各設問の選択肢に目を通しておくようにしましょう。
選択肢からどのような内容を聞き取る必要があるのか、どのような問題が出されるのかを確認することができ、答えを探して聞くことができるようになります。
最初に選択肢に目を通しておくことで読み上げられる設問文はある程度推測することが可能ですが、設問文が読み上げられる際には、文章の先頭の疑問詞を聞き逃さないように特に集中して聞くようにしましょう。
例えば、
・What
・Where
・Who(Whose)
・When
・Why
・Which
・How
のような単語を注意して聞き取るようにしましょう。
問題文のスピード自体はそれほど速くはありませんが、先に挙げたような準備ができていないとどこを注目して聞けばいいのか分からず苦戦することになるので、リスニング問題の解き方を身に着けておくようにしましょう。
大問2 図表を用いた問題+英作文 24点
〇大問2の概要
大問2は大きく3つの問題からなり、2つは問題文中の図や表から答えを探す問題、もう1つはEメールの内容を問う問題とメールの返信という設定で英作文を書かせる問題です。
〇大問2の対策方法
図表を用いた問題は、長文と図表を照らし合わせて文中の空欄に入る単語を選択する問題です。
長文1問ずつの単語数は多くはありませんが、長文1つに対してその内容を問う小問が2問あるのでスピード感をもって解いていく必要があります。
対策として普段から音読をして文章を速く読んでいく練習や、空欄の前後の説明から空欄に入るものを推測するような問題の演習が重要です。
3つ目のEメールの内容を問う問題とそれに関連した英作文を作成する問題は、英作文の演習が必要不可欠です。
英作文は下記のような条件が提示されるので、提示された条件を満たした3文で書く必要があります。
・前後の文に繋がるように書き、全体としてまとまりのある返事のEメールとすること。
・Jamesに伝えたい内容を一つ取り上げ、それをした理由などを含めること。
(令和3年度入試より)
英作文というと難しく感じる人も多いですが、最も重要なのは「自分の使える表現・単語を駆使してミスの内容に簡単な文で表現する」ことです。
過去の英作文を演習して簡単でいいので、自分なりの答えを書けるように練習していきましょう。
大問3 対話文28点
〇大問3の概要
大問3は長めの対話文が1題出題され、下線部の内容を別の表現で言い換える問題が特徴です。
〇大問3の対策方法
下線部の内容を別の表現で言い換える問題に慣れておく必要があります。
例えば、令和3年度入試では下記のような問題が出題されています。
I don’t think so.の内容を次のように書き表すとすれば、□の中に、下のどれを入れるのがよいか。
Kenta doesn’t think that □.
ア Rumi should use formal expressions with Steve.
イ it is difficult for Rumi to use formal expressions
ウ Steve should understand what Rumi would like to say
エ it is important for Rumi to use formal expressions in formal situations
(令和3年度入試より)
この場合、I don’t think soのsoにあたるものはア~エの中のどれかを問われていることになります。
このような文章の書き換え問題の対策としては、普段の学習からso, this, that, itなどが出てきた場合に、それぞれどの内容を指しているのかを確認していくことが有用です。
大問4 説明文・物語文
〇大問4の概要
大問4では物語文が1題出題されます。
小問では、大問3と同じく下線部を別の表現で言い換える問題や、本文の内容に合うように文章を完成させる問題、文章を本文の流れに沿って並び替える問題が出題されます。
〇大問4の対策方法
大問4は読まなければならない文章の量が多い上に本文の内容を問われるものが多いので、普段の学習から音読して文章を速く読んで理解する練習をしていくことが必要です。
また、本文の流れに沿って文章を並び替える問題では、設問の選択肢を先に読んでおくと後から思い出しながら並び替えるということがなくなり、時間の短縮につながるので、そういった解き方の工夫もしていく必要があります。