都立高校入試には、個人面接や集団討論などによって選抜を行う「推薦による選抜」と学力検査による選抜を行う「一般入試」の2種類があります。
<推薦入試>
〇推薦入試の特徴
推薦入試は一般入試とは異なり学力検査がない代わりに、調査書と個人面接や集団討論などの検査結果によって合否が決まる入試です。
また、出願には通っている中学校の校長先生からの推薦が必要となる上、倍率も平均2倍となる激戦の入試です。
〇入試日程
〇選考
・調査書
ほとんどの学校が調査書点を50%に設定しています。
また、調査書点は、ほとんどの学校が評定(9教科)を点数化しますが、各教科の観点別学習状況の評価(全 27 観点)を点数化する学校もあります。
・個人面接(全校で実施)
個人面接は出願の際に予め提出した自己PRカードに基づいて一人10分程度、全校で実施されます。
<自己PRカードとは>
自己PRカードはと、志望理由や中学校で取り組んできた学習、様々な活動から得たことなどを予め記入して提出するものです。
この自己PRカードは点数化されませんが、面接を行う場合の資料としてや合否判定資料の一部として活用したりする資料です。
・集団討論(ほとんどの学校で実施)
集団討論は、5人程度のグループで実施されます。
時間は30分程度で、ひとつのテーマについて討論を行います。
※令和4年度の入試では集団討論は実施されません。
・その他の検査
小論文または作文、実技検査、その他学校が設定する検査の中から、各学校が選択した一つ以上を実施します。
<一般入試>
〇一般入試の特徴
一般入試は「第一次募集・分割前期募集」と「第二次募集・分割募集」に分かれて実施されます。(第一次募集の結果、入学手続きが募集人員に満たない場合に第二次募集が行われ、分割募集は予め募集人員を分割して募集する方式です。)
合否は学力検査と調査書点の合計(面接や作文、実技等を実施する場合は、それらの点数も含めた合計)によって決まります。
◆第一次募集・分割前期募集
〇入試日程
〇選考
・調査書
学力検査を 5 教科(国語・数学・理科・社会・英語)で実施する場合、学力検査を実施しない実技 4 教科(体育・音楽・美術・技術家庭)について、評定の合計を 2 倍して、点数化します。
・学力検査
原則として5教科(国語・数学・理科・社会・英語)の学力検査が行われます。
※学校によっては学力検査に加えて面接、小論文または作文、実技検査を実施する場合があります。
<自校作成問題>
全日制高校のうち、下記10校は自校作成問題(国語・数学・英語)と都立高校共通問題(理科・社会)で学力検査を実施します。
進学指導重点校7校:日比谷、戸山、青山、西、八王子東、立川、国立
進学重視型単位制3校:新宿、墨田川、国分寺
なお、国際高校は英語の学力検査問題の身を自校で作成しています。
・面接、小論文または作文、実技検査
調査書と学力検査以外に面接や小論文または作文、実技検査等を課す場合もあります。
その場合の各検査の満点は各校で定められます。
〇総合点の出し方
原則として学力検査と調査書の点数比は7;3となるため、学力検査700点満点、調査書点300点満点となるように下記の計算式に基づいて点数化します。
① 調査書点の計算方法
調査書の換算点数(5教科+実技4教科×2の点数)×300÷65
② 学力検査点
5教科の合計点×700÷500
③総合点
①で計算した点数+②で計算した点数=総合点
※面接や作文等を実施した場合、上記総合点に面接等の点数を加算します。
◆第二次募集・分割後期募集
〇入試日程
〇選考
・調査書
学力検査が 3 教科(国語・数学・英語)の場合、これらの教科を除いた6教科の評定の合計を 2 倍して、点数化します。
・学力検査
原則として3教科(国語・数学・英語)の学力検査が行われます。
※学校によっては学力検査に加えて面接、小論文または作文、実技検査を実施する場合があります。
・面接、小論文または作文、実技検査
調査書と学力検査以外に面接や小論文または作文、実技検査等を課す場合もあります。
その場合の各検査の満点は各校で定められます。
〇総合点の出し方
原則として学力検査と調査書の点数比は6;4となるため、学力検査600点満点、調査書点400点満点となるように下記の計算式に基づいて点数化します。
①調査書点の計算方法
調査書の換算点数(学力検査3教科+その他6教科×2の点数)×400÷75
②学力検査点
3教科の合計点×600÷300
③総合点
①で計算した点数+②で計算した点数=総合点
※面接や作文等を実施した場合、上記総合点に面接等の点数を加算します。
<学力検査全体像>
令和3年度(2021年度)入試では5教科全てで前年の平均点を下回りました。
学力検査は各教科50分の100点満点で実施されます。
以下では簡単に各教科のポイントをまとめています。
〇英語
英語は全部で大問が4問ありますが、そのうちの3問では長文が出題されます。
また、メールの返事を書くといった英作文も出題されます。
〇数学
数学は全部で大問が5問出題されます。
大問1に関しては基本的な計算や作図の問題が中心となっており、ここでしっかりと得点しておくことが重要となります。
〇国語
数学は全部で大問5問となります。
国語では200字の作文が課されるのが特徴です。
短い時間で自分の主張をまとめる練習が必要です。
〇理科
理科は全部で大問6問です。
理科は大問1,2が小問集合なので、ここで取りこぼしをしないことが重要です。
〇社会
社会は全部で大問6問です。
地形図や表などの読み取り問題が出題されるので、苦手な人は対策をしておくようにしましょう。